昭和歌謡バー「時間旅行」(伊那市坂下)が9月9日、オープンから1周年を迎えた。
昭和の映像と共に1970年~2000年代の歌謡曲が流れる空間で、アルコールや音楽を楽しむ同店は、2025年に千葉県から伊那に移住した店主の松田東辰さんと恵さんが経営する。「2次会、3次会に使ってもらっている。スナックのような、立ち飲みのような、飲む空間を提供するお店」と東辰さん。会社員時代から新橋や新宿、横浜、仙台など、行く先々で昭和歌謡のバーに通っていたこともあり、「いつかこういう店をやりたい」という思いがあったという。
1階がカウンター6席と4卓、2階は20人ほど受け入れ可能な団体テーブルを用意する。料金は、気軽に立ち寄れる「2杯まで30分」(1,000円)、「たっぷり飲み放題60分」(2,000円)、スナック菓子付きの「飲み放題&食べ放題90分」(3,000円)、「飲み&食べ&座り放題、時間無制限」(5,000円)。同店が初めての人でもなじみやすいようにと「全員乾杯」やBGMリクエストの方法など店の楽しみ方を案内するポップや、昭和歌謡のアーティストなどが分かりやすくまとめられた表なども用意する。
昭和歌謡バーの魅力を「スマートフォンもない時代の娯楽は、歌謡曲。当時、顔を出していた店で出会う人も同世代などが多く、思い出を通して連帯感も生まれやすい」と話し、「僕自身の居場所をつくったようなイメージ。自分にしかできない仕事をしたいと思った時に同店を思いついた」と振り返る。「庭があって山が見える」という条件で移住先を探す中で、伊那市の物件に出合い、2025年3月に移住。3カ月ほど造園をしながら畑などをして過ごしていたが、飲食店関連の書籍なども読む中で同店の営業を構想。今の物件に出合ったことでオープンを決めたという。
この1年を振り返り、「昨年3月に引っ越してから9月まで、夫婦だけでではなかなか伊那の人と話す機会も持てていなかった。伊那はすごくコンパクトでお客さん同士も知り合いが多く、店を通して知り合いがすごく増えた。去年8月の伊那祭りに行った時は、知り合いが不動産の仲介をしてくれた一人だったのが、今年は歩く度に知り合いに会ったのがすごくうれしい。伊那市の人たちの受け入れ感もありがたく、居心地がいい」と東辰さん。
「他のエリアに移住していたら店はやっていなかったと思う。スナックや昭和の雰囲気が残る伊那だからこそ、こういう店を開いたと思う。今のペースで、無理なく細く長く続けていきたい」とも。
営業時間は20時~0時。火曜定休。