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財政圧迫する公有住宅をDIYできる賃貸戸建へ 辰野町に第1号

「goodhouse(グッドハウス)」の事業を説明する鈴木雄洋社長

「goodhouse(グッドハウス)」の事業を説明する鈴木雄洋社長

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 公民連携まちづくり会社「goodhood(グッドフッド)」(辰野町辰野)が、入居者がDIYを楽しめる賃貸戸建て「goodhouse(グッドハウス)」の第1号を辰野町にオープンし、3月15日・16日、メディア向けにお披露目した。

鈴木雄洋社長と山田勝己副町長

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 グッドハウスは民間の資金やノウハウによって公共施設を再生する手法(PFI)により、空き家となっている公有住宅を賃貸一戸建て住宅に再生する事業で、地域課題の解消に取り組む。

 社長の鈴木雄洋さんは、民間で大規模都市開発を手がけるデベロッパーを経て、2020年から同町の地域おこし協力隊に着任。空き家バンクの運営をはじめとする移住定住支援をする中で、空き家バンク制度で紹介できる賃貸物件が、売買物件の約10分の1以下であることや、自治体が保有する、使われていない医師住宅や教員住宅等の維持管理コストが財政を圧迫するなどの課題に直面した。

 民間と行政での経験を生かし、行政、民間、入居者にとってメリットのある仕組みを考案。同社は自治体と10年の貸し付け契約を結び、物件の維持管理や改修を行い、家賃収入から自治体に固定資産税相当額の賃借料を支払う。同社は建物の保有リスクや仕入れコストを削減でき、入居者が増えるほど、町のコストが減る仕組みとなっている。

 第1号である築48年の物件は、床や風呂、キッチンなどの水回りをリフォームしているが、壁は汚れが付いた状態。4月から30代の夫婦が入居予定だが、自分の好きな色に壁を塗りたいという希望があったため、そのまま貸し出す。DIYを可能にすることで、自分好みの住宅に愛着を持ち、長期利用が期待できるという。フルリノベーションしないためコストを抑えることができ、賃料も安くなる。

 鈴木さんは「町の財政を圧迫していた公有住宅が収益を得られるようになると、自治体が潤う。これまで民間事業と行政が取り組むまちづくりに携わったからこそできる事業。今後は長野県全域で取り組んでいきたい」と意気込みを見せる。

 今後も希望に応じて、PFIでのまちづくりや空き家活用についての視察受け入れを随時行う。

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