高遠地域の農家や職人が暮らしや手仕事の魅力を発信し、地域活性化を図るイベント「百姓と職人市」が7月18日・19日、「瀬一梵(せぼん)」(伊那市高遠町藤沢)で開かれる。
今年のテーマは「さよなら百職市 再会を期して」。主催する「百職会」は、今回のイベントを節目に会を閉じる。同会は2016(平成28)年1月、伊那市高遠町藤沢を中心に杖突街道沿いに暮らす農家や職人の有志によって結成された。当初の会員は15人。同年8月に第1回「百姓と職人市」を開催し、地域で作られる農産物や加工品、職人の技を紹介する場として歩みを重ねてきた。「百職市」の愛称で親しまれてきた催しは、コロナ禍による中断を挟みながら今回で8回目を迎える。現在の会員は約20人で、高遠在住者や出身者、地域にゆかりのある人たちが活動を支えてきた。
結成のきっかけについて、初代代表の藤澤宗子さんは「杖突街道沿いが過疎化していくのが寂しかった。地域にはおいしい米や野菜を作る人、技術を持つ人がたくさんいるので、みんなで地域の魅力を再確認しながら外の人にも知ってもらえる機会をつくりたいと思った」と活動を振り返る。最終回については、「残念というより、ここまで続けてこられた満足感がある。地域の皆さんや若い世代に支えていただいたことへの感謝を込めて次の世代へ託していけたら」と話す。
チラシには「この市が新たなつながりのはじまりとなることを祈って」との言葉を添えた。同会事務局の下鳥弥生さんは「11年間関わってくださった方たちが積み上げてきた熱い思いを、時代の変化に合わせて違う形で受け継ぐ必要があると感じている。この市で生まれた縁や地域の魅力がどこかでまた浮かび上がって、高遠が盛り上がるきっかけになれば」と期待を込める。
会場では百職会のメンバーに加え、趣旨に共感する市内の生産者や作家らが出店。18日は19店舗、19日は16店舗が並び、農産物、飲食、陶芸、手芸作品などを販売する。両日とも音楽ステージを設け、高遠や伊那市にゆかりのある演奏者が出演。ちんどん屋や小出太鼓、イーナちゃんカルテットなどが会場を盛り上げる。同会会計の三宅のどかさんは「この機会に高遠の自然の豊かさや人の温かさを感じてもらいたい。地域で活躍する人たちとの交流によって、未来へ続く新しいつながりが生まれたらうれしい」と話す。下鳥さんは「百職会らしい最後の市を楽しんでほしい。牧場の牛がいてのんびり過ごせる場所なので、気軽に遊びに来てもらえれば」と来場を呼びかける。
開催時間は、18日=10時~16時、19日=10時~13時。入場無料。