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伊那で国産生ハム加工場のお披露目と試食会 来夏の出荷目指し本格稼働へ

生ハムの加工場と服部茂和社長

生ハムの加工場と服部茂和社長

 「服部テキスタイル」(兵庫県多可町)が6月29日、生ハムの加工場(伊那市西箕輪)のお披露目と試食会を開いた。

「生ハム」のカットセレモニーを行う服部茂和社長

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 同社はホテル向けリネンの製造販売メーカー。社長の服部茂和さんは45年前の新婚旅行で食べた生ハムの味わいに感動し、「日本でもこの生ハムを再現したい」と、生ハムへの思いを温め続けてきた。大学時代を過ごした伊那の景色や地域の人との温かい関わりが忘れられず、2023年に伊那市で開催された、伊那の農林資源を生かした地域活性化事業を応援する「農林アクセラレーター」に採択されたのをきっかけに本格的に伊那市での生ハム加工場の可能性を探り始めた。

 加工場として活用するのは4年前に閉鎖された市の宿泊施設「羽広荘」。加工する豚肉は県内の養豚家に声をかける中、飯田市や喬木村で養豚場を経営する養豚農家から仕入れることができた。熟成方法については全国の大学に連絡を取り、一緒に熟成を模索してくれる大学を探してきたという。「県内のあらゆる養豚場に声をかけ協力を依頼した。大学への問い合わせも、加工場の選定も全てゼロからのスタート」と服部さん。2025年3月に初めて試作の生ハム仕込みを始めることができたという。

 お披露目会では、地元住民や関係者100人を招き、2025年から仕込んだ「生ハム」のカットセレモニーや工房の見学、試食会を行った。試食会で出された生ハムは2025年3月に初めて仕込んだ「オレイン豚」「黒豚」「三元豚」の3種類。「初めて仕込んだ生ハムを自分で食べた時、おいしくてびっくりした。感無量。オレイン豚はナッツのような香りがもともとあるなど、豚の種類によって味わいも食感も、香りの違いもある」と服部さん。試食会では参加者に向け生ハムを使った15種類近くの料理のほか、服部さんが45年前に新婚旅行で食べて感動した生ハムのサンドイッチなどのメニューも再現して提供した。麻績村から参加した30代女性は「国内で生ハムというイメージがなかったので驚いた。設備から何から、大変な苦労を乗り越えて実現したのがすごい。味もおいしい」と話していた。

 直近の課題は仕込む量の確保だという。「年内に最低2000本は仕込みたい。まだまだ量が足りず、仕入れ先を探している。長期熟成に耐えられる品種の豚も模索していきたい」と話す。「伊那は私にとって第二の故郷。学生の頃にまちの人たちに世話になった思い出が今も残っている。伊那の人たちは人がいいし、優しい人ばかり。日本で最高級の生ハムをこの地で作って、地元にも寄与していきたい。『生ハムといえば伊那』と認識されるような、高級食材としての生ハムの聖地になり、伊那の観光や食文化を発信していくスタートになれば」とも。

 最短の出荷は来夏を予定。取引先のホテルなどへの卸から優先して販売する予定。

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