フィールドワークイベント「水の行方を辿(たど)る旅」が5月14日、伊那市長谷中尾で開催される。主催は農業法人「Wakka Agri(ワッカアグリ)」と「ラーチアンドパイン」。
ワッカアグリが手がける田んぼでの作業の様子 (写真提供=ワッカアグリ)
農学博士の細谷啓太さんと木平英一さんが、森と田んぼをつなぐ「水」をテーマに現地で解説する同イベント。会場の中尾地区は、山と田んぼが隣接する地形が特徴。細谷さんが現地視察を重ねる中で、森と田の接点である「水」に着目したという。「山の管理によって水は変わり、その水が田んぼに入ることで米づくりが成り立つ。この一連の流れを体感できるのが中尾の魅力」と細谷さん。
当日は、ワッカアグリの田んぼ近くの山に入り、土を掘りながら水が湧き出る過程を体感する。その後、田んぼに移動し、自然栽培による米づくりの現場を見学。「自然栽培では水の使い方が重要。水の深さやタイミングによって稲の育ち方も変わる」と細谷さん。中尾の水は山から直接流れ込むため「非常にきれいで恵まれている」とする一方で、「冷たすぎて稲の生育に影響することもある」という。「冷たい水を一度温めてから入れるなど工夫している。稲は1本~20本ほどに分けるが、水の管理でその数も調整できる」と説明する。
細谷さんと木平さんは共に農学博士。細谷さんは自然栽培研究分野、木平さんは森林科学や渓流水質を専門とする。2人は窒素や窒素循環の研究という共通点を持ち、「一緒に何かできないか」との思いから同イベントを企画したという。「『水がいいと米がおいしい』と言われるが本当なのか、といった身近な疑問を出発点に、さまざまな視点から話を広げていく。参加者それぞれが感じた問いを持ち寄り、一緒に深掘りしていく場にしたい」と細谷さん。
昼食には、中尾でジビエ料理を提供する「野山」の鹿カレーを用意する。細谷さんは「県内外問わず、関心のある人に来てほしい。農学博士が2人いるので、学術的にも深い話ができる。森や田んぼについてしっかり学びたい人に向けた内容」と参加を呼びかける。
開催時間は10時~15時。集合場所は中尾座。参加費は1万5,000円。定員10人。要事前申し込み。