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伊那の長谷地区で「棚田まつり2024」 15年ぶりに子どもみこしが復活

15年ぶりに復活した子どもみこしを担ぐ長谷地区の子どもたち

15年ぶりに復活した子どもみこしを担ぐ長谷地区の子どもたち

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 伊那市長谷の中尾集落で8月24日、「棚田まつり2024」が開催された。主催は輸出用米を栽培する農業法人「Wakka Agri(ワッカアグリ)」と、祭り芸能集団「田楽座」で構成された実行委員会。

オープニングでは長谷中学校3年生10人が長谷太鼓を披露した

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 会場となった長谷中尾集落には41世帯69人が住むが高齢化が進み、約15年前から子どもが住んでいない地域。当日は、15年ぶりに出た子どもみこしを近隣の子どもたちが担いだ。田楽座とざんざ節による公演と盆踊り、棚田マルシェ、尻相撲大会なども行った。長谷地区の住民を中心に200人以上が集った。

 オープニングを飾ったのは長谷中学校3年生10人が披露した長谷太鼓。演奏が始まると子どもから大人までが演奏に聞き入った。近隣から子ども2人を連れて参加した30代女性は「太鼓の音がおなかの奥まで響く感覚で、迫力があり圧倒された。真剣に演奏している姿に感動した」と話す。長谷太鼓の演奏は毎年12月になると、卒業する3年生から2年生に引き継がれるという。演奏を終えた男子生徒は「オープニングに太鼓をたたくことができてとてもうれしい。10カ月ほど練習してきた。中尾が注目されることで移住先として選ぶ人が現れ、子どもが増えて活気が戻ってほしい」と話す。

 日が沈むと、害虫を追い払い豊作を祈願する「虫送り」の棚田ライトアップがエリア一帯を照らした。棚田まつり実行委員長の高橋隆文さんは「ライトはペットボトルを集めて350個以上を手作りした。美しくともされた棚田を見て感無量」と話す。

 2017(平成29)年から長谷地区で輸出用の米作りを行ってきた細谷啓太さんは「こんなにたくさんの人が来てくれて感慨深い。私たちは安心安全でおいしい米作りという事業をベースにしながら、今後も集落の再生や活性化を目的とした活動にも取り組んでいきたい」と意気込む。

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