中央アルプスの代表的な雪形「島田娘」や「駒」「種まき爺(おきな)」が今年も出現し始めた。
雪形とは雪が解けて岩肌が現れると浮かび上がる模様を人や何かの形に見立てたものを指し、中央アルプスの「島田娘」も古くから農事歴として種まきなどの目安とされてきた。駒ヶ根橋(駒ヶ根市赤穂)付近からは雪形がはっきりと見えている。
中央アルプスの宝剣岳から南に延びる稜線上に浮かび上がって見える島田娘は、島田髪を結った女性の横顔に見えることから名付けられたとされている。木曽駒ケ岳の由来にもなった「駒」は島田娘の右側に、「種まき爺」は島田娘の左側に見ることができる。
宮田村役場の保科靖国さんは「昔から5月の連休くらいに島田娘がはっきりと見えるようになると田植えの時期とされてきた。今年は(例年より)早く見えている」と話す。
駒ヶ根市観光協会の担当者は「駒ヶ根市観光協会には中央アルプスの雪形の案内なども置いてある。雪形は雪の量や気候によって変化するため季節限定で楽しむ景色の一つと言える。雨が降れば山肌がより見えるようになるし、雪が降ればまた山肌が隠れる。天候によって見え方が変わることも含めて、今からの季節に中央アルプスを眺めて楽しんでもらえれば」と話す。