
お盆の伝統行事「振り万灯(まんど)」が8月13日、南箕輪村神子柴で行われた。
「振り万灯」は、大きな麦のわら束に火をつけて子どもたちが果敢に振り回す、上伊那地方に伝わる伝統行事。13日は「迎え万灯」で先祖を迎え、16日には「送り万灯」で見送る。
開催前には地域の大人から子どもたちへ「途中で振るのをやめないこと」「初めは縄を短く持ち、火がしっかりともったら、だんだん縄を長くすること」など振り方の指導があり、今年は小学生5人、中学生1人、高校生1人、他数人の地域住民が「振り万灯」に挑戦した。参加者は順番に火をともした手作りのわら束を受け取り、力強く振りながら坂道を下った。周りで見守る保護者や地域住民ら約30人も「その調子」「頑張れ」と声をかけながら、夕闇に浮かび上がる火の輪を見つめた。
昨年も万灯を振ったという南箕輪村小学校6年の丸山大輝君と池上幸太郎君は「1年目は怖かったけど、もう慣れて、今年は楽しかった。中学生になっても続けたい」と振り返る。万灯に必要な大麦の栽培や万灯作りを指導したのは、子どもたちの休日の居場所づくりや伝統の継承などを目的に、多岐にわたり活動する区内の住民有志から成る地域活動団体「かま塾」。メンバーの田中博美さんは「神子柴区の振り万灯は、戦前から続いている歴史ある行事。これからも麦を育て、手作りの大きな万灯をともして、この伝統を守っていきたい」と思いを込める。