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伊那市ローカル人材育成講座修了 「地域でやりたいことができる力」育成

全8回の講座で、地元で活躍する多様な登壇者の事例を聞く機会が設けられた

全8回の講座で、地元で活躍する多様な登壇者の事例を聞く機会が設けられた

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 「伊那市ローカル人材育成セミナー」の最終回が3月15日、「inadani sees」(伊那市西箕輪)で開催された。

全講座の進行を行った鈴木紀哉さん(プロジェクトマネジャー)と田中聡子さん(ファシリテーター)

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 同セミナーは「地域でやりたいことができる力」を身につけるきっかけとして、全8回の連続講座を開講。基本的なビジネススキルやリテラシー(IT・マーケティング・経営など)を学び、実践者との交流を通して「地域でやりたいことができる力」を培うことを目指した。参加対象は「地域資源を活用したビジネスをしたい、地域のために何かしたいという地元の人」と設定し、SNSを中心に参加を呼び掛けた。

 主催した伊那市地域推進課の仲村啓助さんは「若年層が市外に流出してしまう課題に直面しており、伊那市と近隣市区町村を含め、この上伊那地域を活性化したい。講座は参加者も多く、期待以上の手応えを得た。環境を整え、ロールモデルとなる人材を今後もサポートしていければ」と話す。

 デジタル田園都市国家構想交付金を活用して参加無料とし、鈴木紀哉さん(地方創生プロデューサー兼宮田村地域おこし協力隊)をプロジェクトマネジャーとし、元伊那市地域おこし協力隊の田中聡子さん(一般社団法人Feel代表)と共に各講座を展開した。

 各回の登壇者は伊那谷で既にビジネスを立ち上げた実績のある人で、奥田悠史さん(森林ディレクター)、小澤純一さん(ブランディングデザイナー)、坂口淳さん(公民連携ちいきづくりプロデューサー)、富岡順子さん(コレカラボ代表)、久田拓弥さん(伊那市地域おこし協力隊)らが名を連ねた。

 「事業の持続」をテーマにした回では、「親子3世代で楽しめるお茶屋さん」をコンセプトに伊那市内でカフェを開業している「お茶屋いちえ」代表の井口裕太さんが登壇。立ち上げから現在に至るまでの紆余(うよ)曲折を語った。別の回では、一級建築士で地域のグランドデザインにも携わる暮らしと建築社の須永理葉さんと、持続可能な農村社会を実現するため「農村計画学」を研究している信州大学院生の鏡平さんが「協業」をテーマに講座を展開した。

 全講座の進行を担った鈴木さんは「まずはスモールスタートでいいので、事業を実際に起こして実践することが大切。その一歩を踏み出すきっかけになればうれしいと考え、受講者が自らのビジョンを語り、意見交換をしながら参加できるスタイルで構成した。事業が継続していくために収益を追求することは必須条件。ここではボランティア活動や補助金ありきの事業ではなく、自立できる事業の確立を目的に講座を行った」と振り返る。

 受講生からは「講座を受けるというより、参加している感覚。個性豊かでパワフルな参加者と交流するのが楽しく、刺激的だった」など、相互参加型スタイルに好感を持つ感想が多く聞かれた。

 宮田村の地域おこし協力隊員でもある坂口淳さんは、これまでスポーツ関連の事業を複数立ち上げ軌道に乗せてきた実績が買われ、自らの経験談を共有したり、ワークショップなどを担当したりしてきた。「誰かの成功事例の模倣ではなく、世間やその地域の課題を見つけ、自分がその事業をやる意味を見つけることが大事」と伝えた。

 来年度は実践編の講座を4月下旬より開講予定。実際にイベントを開催し、収益を上げる経験を積むことを計画している。参加申し込みなど詳細は伊那市ウェブサイトで知らせる。

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