小中高校で取り組む「総合的な探究の時間」を切り口として、子どもたちが体験している「探究学習」について考えるシンポジウム「学びを学ぶ1日」が7月21日、伊那市防災コミュニティセンター(伊那市西町)で開催される。主催は伊那谷探究プロジェクト準備会。
「探究学習」は、日常生活や社会に目を向け、自ら課題を見つけ、その解決に向けて情報を収集・整理・分析していく学習活動。伊那谷探究プロジェクト準備会会長の唐木玲さんは、行政職員として2017(平成29)年から探究授業を行う高校と地域をつなぐサポートを行ったことがきっかけとなり、有志4人と準備会を立ち上げた。「探究の授業における学びの過程や、子どもたちにとって探究の役割が何なのかを、子育てをする親世代や地域の人が知る機会をつくりたいと考えた」と話す。
本年度は2回イベントを予定しており、今回は学びについて地域が理解を深めるきっかけづくり、冬には子どもたちの挑戦の壁となりやすいお金を地域でどうサポートできるのか「ソーシャルセクター」について考える場を設けるという。
シンポジウムは3部制。第1部は中高で探究学習の実践をする芝国際中学校・高校の唐澤博さんによる「子どもが目覚めるゆるふわ探究学習法」、東京富士大学経営学部准教授の難波俊樹さんによる「パターンランゲージワークショップ」。第2部では信州大学特任教授の川地尚武さんが「地域課題を解決する人材を育成するこれからの大学の学びとは」をテーマに、大学の立場から求めている生徒や送り出したい若者像について考える。第3部では、60年以上通知表がない伊那小学校を研究のテーマにもしている「こたえのない学校」代表の藤原さとさんが、「子どもの誇りに灯をともす」をテーマに登壇する。
唐木さんは「探究の取り組みは、実際に自分たちが経験していないので、何をしているのか身近なこととして感じにくい保護者や大人も多いと思う。子どもたちを取り巻く社会の環境も変化している中、探究学習が子どもたちのどんな成長をサポートしているのかを知ってもらい、一緒にできることを考えてもらえればうれしい」とも。
開催時間は10時~16時。入場無料。事前予約制。