購入したチケットを見知らぬ誰かに提供して食事を取ってもらう仕組み「恩送りチケット」を導入している伊那の交流拠点が2月1日から、対象となるメニューにそばを加えた。
交流拠点は、地域住民の居場所にしたいと運営されてきた伊那まちBASE(伊那市荒井)。福島市のNPO法人「チームふくしま」が始めた「おたがいさまチケット」の取り組みに共感し、同様の仕組みで2023年11月から「恩送りカレー」の提供を始めた。新たに提供し始めたのは「恩送り蕎麦(そば)」。上伊那産のそば粉のほか、「伊那しょうゆ」など地元の材料をメインに使った「信州こころんのつゆ」を使う。
同店スタッフの野本瑠美さんは「見知らぬ誰かのために先払いして食事をプレゼントする取り組みが恩送り。お互いさまの気持ちとともに同様の取り組みを広げていくために導入した」と話す。
チケットの価格は1枚700円。購入してもらったチケットは店頭のボードにメッセージを添えて取り付けてもらい、誰でも利用できるようにしている。恩送りカレーでは、チケットの購入者と利用者が合わせて600人ほどに達した。購入者・利用者は、子どもや高校生も含めさまざま。スタッフの大村洋一さんは「利用者も、店に設置しているノートに利用済みチケットを貼り、メッセージを残すことができる。恩送りを利用した人がチケットを買い、購入者になってくれるケースも多い」と話す。「メッセージを通じて人とのつながりを感じることができるのも魅力」とも。
同店の営業時間は9時~19時(第3金曜は21時まで)。土曜・日曜・祝日定休。