食べる 買う 暮らす・働く

伊那に「カフェPUCA」 量り売り店併設、容器持参を呼びかけ

店主は東京から移住した中野篤史さんと純子さん

店主は東京から移住した中野篤史さんと純子さん

  • 22

  •  

 カフェと量り売りの店「PUCA(プカ)」(伊那市山寺)が6月4日にオープンし、初日から多くの客でにぎわった。

量り売りコーナーでは「グラムごと」「1つ」から購入でき、無駄なく買い物ができる

[広告]

 オーガニック食材を使ったおにぎり、総菜、デザート、ドリンクを提供するカフェと、グラム単位で調味料、菓子、スパイスなどを販売する量り売りコーナーを併設しており、量り売り商品の購入希望者には容器の持参を呼びかける。

 店主は2023年3月に伊那市に移住した中野篤史さんと純子さん。2人の子どもたちを伊那小学校に通わせたいと移住したのが伊那に来るきっかけだったという。純子さんは「移住当初は具体的なプランはなかったが、東京に暮らしていた頃、よく通っていた量り売りの店がこの近くにないことに気づき、自分でやろうと決めた」という。篤史さんも「伊那で再び会社員になるという計画もあったが、趣味が料理なので、カフェの料理は自分が担当する。量り売りショップの食材も活用できるので、相性の良い2つの事業を組み合わせることにした」と話す。

 昨年9月に現在の店舗兼自宅となる物件を空き家バンクで見つけ、篤史さんが半年以上かけDIYで改修。「DIYの経験も知識もなかったが、ユーチューブでゼロから学びながら床貼りや壁のしっくい塗装など、水回り以外は自分で施工した」という篤史さん。「築年数は50年と古いが、前の持ち主が家を大切に扱い、丁寧に暮らしてくれていた物件。新築する選択肢もあるが、こうして使われなくなった空き家を前の家族の歴史と共に引き継ぐのも愛着が湧く。庭の花も含めて、とても気に入っている」と純子さん。

 オープン初日は、看板を見て入店した近所に住む人、SNSを見て開店を知った人が昼前から絶えることなく店を訪れ、総菜やデザートはほぼ完売となった。

 伊那市内で生まれ育ち、同店近くで働く20代男性は「居心地のいい店が職場の近くにできて、とてもうれしい。ランチがおいしかったので、夜食用におにぎりもテイクアウトした」と、店内で食事を取りながら店主との会話も弾んでいた。

 量り売りコーナーには、ドライフルーツや米粉、カレーパウダー、ナッツ、ワカメなどの海藻類、クッキーやスコーン、調味料など多品目をそろえる。容器を持参してもらい量り売りをする「ゼロウェイストショップ」としてごみを出さない営業方法は、ヨーロッパでは浸透している、環境に配慮した取り組み。日本でも昔はなじみがあった買い物の方法だという。近所から訪れた女性客も、カフェで提供されるデザートのプリンが購入できると知り、自宅に容器を取りに帰り再訪していた。

 保育園の帰りに立ち寄った市内在住の親子は「今日のおやつを買いに来た」と、ドライフルーツを購入。パイナップル、バナナ、イチジク、マンゴーと、一つ一つを持参したガラスの瓶に入れては重さを確認し、買い物を楽しんでいた。

 営業は火曜~金曜の10時~16時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース