障がいのある人がさまざまな作業に挑戦できる就労継続支援B型作業所「クーリアラボ」(伊那市東春近)が開所して、6月1日で1カ月がたつ。運営はクーリアラボ。
代表の小松勢至さんは「グループ会社でもある小松総合印刷で人手不足などの課題に向き合ったことがきっかけ。さまざまな情報を調べる中で、自分たちの仕事を作業所に出すことで人の役に立てる方法があることを知り、就労支援の場として立ち上げの準備を始めた」と話す。既に事業所を運営している岐阜県内の企業に相談し、開設準備を進めてきたという。
グループ会社から、封筒への封入封かん・検品などの軽作業、パソコンを使った情報整理・デザイン作成の仕事などを請け負い、事業所をスタートさせた。15日には開所式も開催。「開所から開所式まで半月あったことで、利用者と一緒に開所式の準備もできた。当日に意気込みを発表してくれたり、開所式の時に渡した記念品も一緒に作ってくれたり、利用者が積極的に関わってくれてうれしい」と小松さん。
駒ヶ根市のグループホームから徒歩で駒ヶ根駅まで向かい、電車で同施設の最寄り駅まで通う利用者の宮澤渉さんは「お父さんとお母さんが見学に連れてきてくれ、体験もした。電車で通うのは養護学校の時にもしていた。困った時もあるけど、困ったら職員の岩崎さんに電話をする」と話す。「ここの仕事が楽しい、いろんな仕事をした。段ボールの組み立てを100個以上、封入作業やネックポップの作業もここで初めてやった。これからもいろいろな新しい作業をしたい。一昨日は初めて職員さんと営業にも行った。今日もこれから行きたい」と意気込む。
利用者の山本英明さんはパソコンを使い、ウェブ上の情報をエクセルに移し情報整理をしていく作業を行う。「パソコンの作業はここに来て初めてやった。できるようになった」と言いながら、黙々と作業を続ける。
「開所してもうすぐ1カ月を迎えるが、昨日やった作業が今日の方が早くできたり、新しい作業を楽しんでくれたりする姿を見ることができてうれしい。自ら工夫したことなども教えてくれ、日々気づきや発見がある」と小松さん。「6月・7月にも利用者が増える。まずは通うことで生活リズムが整い、健康的に過ごすきっかけになれば。そして昨日はできなかったことが今日はできるようになったり、さまざまな作業に挑戦できたりすることで、就労のステップアップなど、利用者のスキルや可能性を広げられる事業所にしていきたい。地元の企業にもどんどん声をかけて、いろいろな難易度の仕事をたくさん用意できる事業所にしていきたい。自分が作ったもので周りが喜んでくれるという実感が持てる環境を目指したい」とも。