岩槻人形センター(南箕輪村)で現在、一年を振り返る「変わりびな」が展示されている。
変わりびなは、戦前に初代・金林真多呂が本職の木目込み人形を作る合間に、当時の世相をひな人形で表現したのが始まり。制作の基本コンセプトは、男女一対のひな人形で表現することに加え、国内の出来事をモチーフとし、事件・事故などはテーマとしない。1946(昭和21)年に「りんご唄びな」を制作したのをきっかけに毎年制作しており、今年は「ペッパーミル快進撃ひな」「将棋八冠びな」「行楽地大渋滞雛」など6体が並ぶ。
「ペッパーミル快進撃ひな」は、WBCで活躍したヌートバー選手にちなんだ作品。男びなはヌートバー選手、女びなはスタンドで声援を送っていたヌートバー選手の母、背景は大声援に包まれる球場スタンドを表現した。
現店主の島尾和男さんは「先代が真多呂のところで人形作りを学んできた縁で、毎年作品を店舗で飾らせてもらっている。非売品で全国に数体しかない。ぜひ足を運んで見ていただければ」と呼びかける。「今までの変わりびなは全て保管してある。いずれ変わりびなを全て並べて歴代の世相の移り変わりを展示して見てもらう機会も作りたい」とも。
営業時間は9時30分~18時00分。5月5日迄休まず営業。展示は3月3日まで。