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音から森を知る森林探索ゲーム 信州大の演習林で社会実験

音声ガイドをもと元にクイズに回答する参加者

音声ガイドをもと元にクイズに回答する参加者

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 信州大学農学部の演習林(南箕輪村)で3月31日・4月1日、森林探索ゲーム「信州の森ずかん」が開催された。

アカマツ、カラマツなどの樹種が生える信州大学農学部の演習林

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 主催は精密林業計測(伊那市西箕輪)。「信州の森ずかん」は、同社のドローンなどによる森林樹木のデジタル計測技術と、イベントを共催した椙山女学園大学のバーチャル空間デザイン技術、ジェイテクトの音のAR技術の3つを組み合わせることで開発されたゲーム。

 参加者には専用のスマートフォンとイヤホン、クイズが書かれたゲームシートを配布。位置情報を元に音声ガイドの案内があるため、森の中を迷うことなく散策でき、スポットごとの解説を聞くことができる。さまざまな木の特徴や、カモシカや鳥など信州の森にすむ生き物の説明を聞き、クイズに回答しながら「信州の森ずかん」を完成させる。今回のイベントでは2日間を通して、親子連れなど29人が参加した。

 参加した小澤和浩さんは「イヤホンからなのか、環境音なのか、区別がつかないくらい音がとてもリアルで驚いた。森の景色を見て歩きながら、鳥のさえずりが聞こえてくるのが良かった。林の中で木を見ながら、音声ガイドで木の特徴や伐採後の木の使われ方などの説明を聞けたのも面白かった。森の中は気持ち良く、新鮮な体験ができた」と振り返る。

 椙山女学園大学教授の村上心さんは「森の大切さを次世代に伝えることを念頭に置き、チームとしてプロジェクトに取り組んでいる。ゲームでは音声ガイドなどの誘導により、自然を観察するようになるため、新たな気付きがあり、学びを深めるきっかけになる。先進技術は人の暮らしに役立つため、研究を通して次世代の未来をより良くすることができれば」と期待を込める。

 ゲーム参加時の加速度データ、視線や姿勢などを計測データは、今後の研究開発に生かしていくという。

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