
伊那小学校(伊那市山寺)3年春組の児童が3月4日、1年生の時から共に過ごしたポニー「クリスター」との別れを前に最後の時間を共に過ごした。
総合学習の一環で3年間クリスターの世話をしてきたが、4月にクラス替えがあるため3月5日にクリスターを元いた蓼科ポニー牧場に返すことになった。前日の4日、児童たちはクリスターを連れて市内を散歩したり、休みの児童宅を家庭訪問したりするなどして、クリスターとの最後の時間を過ごした。
男子児童は「クーちゃんは女の子で、人間でいうと48歳。とても食いしん坊で、クローバーや圧ペんトウモロコシが大好き。たくさんのことを教えてくれた」、女子児童は「クリスターは乗馬の練習をしていないので、乗ると先生のお尻をかんで嫌がり、乗ることができない。一度だけ、クリスターが隣のクラスの畑を荒らしてしまった事があり、その時だけは嫌がらずに皆を背中に乗せてくれた。反省していたんだと思う」と、それぞれ思い出を話す。
市内を散歩する途中、児童たちが郵便局で手紙を投函する場面も。「牧場に帰った後、いろいろな人が会いに行けばクリスターが寂しい思いをしないのでは」と、長野県内の公立小学校に向け、クリスターの紹介チラシと蓼科ポニー牧場訪問を促す手紙を児童自らが準備したという。
担任の折山智昭教諭は「子どもたちは、早い時は朝7時半に学校来て馬房の掃除や餌やりなどをしたり、散歩をしたりするなど、クリスターを熱心に世話してきた。一緒に暮らすことは楽しいだけでなく大変なこともあることを関わりの中で学び、幅広い視野で物事を考えられるようになったと感じる。クリスターは乗馬ができないので、帰った先で馬房を出る機会が少なくなってしまうのを児童たちは心配し、クリスターを紹介する取り組みも行ってきた。ぜひクリスターに会いに行って触れ合ってもらえたら」と呼びかける。