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伊那市の古文書で「翻刻」を競う「古文書解読コンテスト」

(後列左から)合同会社AMANE代表の堀井洋さん、東京大学地震研究所准教授の加納靖之さん、伊那市地域おこし協力隊員の前田和弘さん。前列はAMANEスタッフ

(後列左から)合同会社AMANE代表の堀井洋さん、東京大学地震研究所准教授の加納靖之さん、伊那市地域おこし協力隊員の前田和弘さん。前列はAMANEスタッフ

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 伊那市立高遠町図書館(伊那市高遠町)の古文書を翻刻(ほんこく)する作業を競う「古文書解読コンテスト」が現在、開催されている。

伊那市では10月5日にオープニングイベントも開かれた

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 「翻刻」とは、古文書などに記された特徴的な草書体(崩し字)を読み取り、現代語に活字化する作業。伊那市が保管している4万3000書の古文書の読解を進めようと、伊那市地域おこし協力隊員の前田和弘さんがイベントを企画した。伊那市、オンラインプラットフォーム「みんなで翻刻」、学術資料の保存を行う「AMANE」の3者の包括連携協定を元に設置した「古文書読解コンテスト事務局」が運営を行う。

 前田さんは「日本全国には解読されていない古文書が数億あると言われているが、崩し字を読める専門家の数は少なく、なかなか読解作業は進んでいないのが現状」と話す。東京大学地震研究所・京都大学古地震研究室・国立歴史民俗博物館が共同で開発・運営を行う「みんなで翻刻」の存在を知っていたこともあり、デジタルデータ化を進めていた伊那市の古文書を使うコンテストを思い付いたという。

 コンテストは「みんなで翻刻」のサイトを活用し、伊那市が提供する古文書の翻刻を個人やグループで進める。審査は、翻刻文字数、添削文字数、正確性を基に専門家チームが協議し、上位4アカウントに総額20万円の賞金を贈る。

 今回イベントで提供する古文書は、高遠藩主内藤家のもの。10月5日のイベント開始からすでに100人を超える参加者により8割の翻刻作業が進んだため、28日には第2弾の古文書を公開した。前田さんは「初めての試みだったが、開始して1日で用意していた資料の半分の翻刻が終わり驚いた。翻刻をしている人は大学などで学び知識がある人も多いが、歴史好きが講じて古文書にたどり着く人もいる。大名家の資料は『みんなで翻刻』でも珍しいので興味を引いたのではないか。今後も資料を追加していくので興味がある人は挑戦してほしい」と呼びかける。

 18歳以上が参加可能。2025年1月31日まで。2月中旬に上位者を発表し、3月8日に伊那市で表彰式を行う。

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