コーヒーと軽食を提供する「コーヒーとサンドイッチおかもと」(伊那市荒井)が9月30日、開業10周年を迎えた。
店主の岡本夏季さんは和歌山県出身。信州大学に進学したことをきっかけに伊那谷を気に入り、2014(平成26)年にコーヒー店同店を開業した。同店を開業する前には三澤珈琲(ミサワコーヒー)に勤務し、コーヒーと飲食店経営を学んだという。コーヒー豆とパンは地元の店から仕入れ、地域とのつながりを大切にしてきたとも。店の窓には地域のイベント情報が幾枚も貼られ、店内にもチラシやショップカードが置かれている。
ドリンクは、「ブレンド」「カプチーノ」(以上450円)、「エスプレッソ」(350円)、「カフェアメリカーノ」(400円)、「カフェラテ」「アイスコーヒー」「アイスアメリカーノ」「わかやまみかんジュース」「グラフワイン(赤・白)」(以上500円)、「黒糖ラテ」600円など。軽食は現在、土日限定での提供とし、「本日のサンドイッチ」(650円~)を2種類程度用意する。フードメニューとセットで注文するドリンクは100円を割り引く。
1日には今春、伊那市新山にオープンした「yamawarau coffee roaster(ヤマワラウコーヒーロースター)」店主の入江信文さんと妻の春奈さんが手土産を持ってお祝いに駆け付け、コーヒー談議に花を咲かせた。岡本さんに2人は「ここはいろんな人が行き交い、つながっていく。これからもみんなの憩いの場であり続けてほしい」と声をかけた。
伊那市荒井に生まれ育ち、現在は箕輪町在住の50代女性は「ここは私が子どもの頃はケーキ屋さんだった。その後、服屋さんになり、そして岡本さんがやって来た。バナナとベーコン、ピーナツバターを挟んだ『エルヴィス』というホットサンドがお気に入り。他にはない珍しいメニューなのでお薦め」と話す。
「店を通して伊那市駅周辺の変化を見守ってきた。近隣の高校の統廃合が決まり、店で勉強する高校生の姿も見られなくなってしまった。多くの店が店主の高齢化によりシャッターを下ろしていく。一方で移住者が店を開いたり個性豊かなコーヒー店が増えたりして、にぎわいを見せている」と岡本さん。「いろいろ試行錯誤をしながら、細く長く、伊那市駅前で皆さまの日常の一部となり、これからも小さなインフォメーションセンターでありたい」と意気込む。
営業時間は、平日=15時~18時、土曜=10時~18時、日曜=10時~17時。水曜定休。平日はドリンクメニューのみ提供。