「カールおじさん」などの生みの親、ひこねのりおさんの作品を展示する「ひこねのりお展 ほたるの里におでかけ篇(へん)」が現在、「辰野美術館」(辰野町樋口、TEL 0266-43-0753)で開催されている。
ひこねさんは東京芸術大学を卒業後、東映動画で作画監督などの経験を経て、虫プロダクションに入社。「ジャングル大帝」の原画などを手がけた。退社後はフリーとして活動し、アニメーターやキャラクターデザイナーとして数々の作品を生み出した。
公立美術館でひこねさんの展示をするのは今回が初めて。アニメやCMのラフ画やセル画、ポスター、グッズなどの資料を300点以上展示する。スナック菓子「カールおじさん」、映画や本の題材にもなった缶ビールの「パピプペンギンズ」、「きのこの山」「たけのこの里」のキャラクター、NHK「みんなのうた」で放送された「赤鬼と青鬼のタンゴ」などの資料が並ぶ。1階ではCMや「まんが日本昔ばなし」などの短編アニメを2時間にまとめた映像作品を上映する。
同展のためにひこねさんが描き下ろしたイラストは、トートバッグ、うちわなどのオリジナルグッズとして数量限定で販売。描き下ろしイラストに塗り絵をして缶バッジを作る体験も用意する。参加費は200円。一部を能登半島地震の被災地に寄付する。
学芸員の川島周さんは、子どもの頃からファンだったキャラクターがひこねさんの作品ということを約1年前に知り、同展を実現させた。ひこねさんは数多くの企業に関わる作品を手がけていたため、承諾を得るのが大変だったという。「一人のファンとして、学芸員として、この企画を実現できてよかった」と川島さん。「どこかで目にしたことがある作品も多いはず。お客さんからは『懐かしい』『見たことがある』という声も。大人も子どもも楽しむことができるので、『ひこねワールド』を堪能してほしい」と話す。
開館時間は9時~17時(入館受け付けは16時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は500円(高校生以下無料)。9月23日まで。