能登半島地震被災地でボランティア活動を行った伊那北高校の3年生5人が8月6日、いなっせ(伊那市荒井)で市民に向け活動報告を行った。主催は市民団体「伊那谷アライアンス」。
避難所に必要な防災グッズがイメージできるボードゲームを開発した矢澤秀成さん(中央)
自らが考えることで防災意識を高め、災害に備えるきっかけにしてもらおうと企画した。
伊那北高校3年の矢澤秀成さんはサイコロを使うすごろく形式のボードゲームを開発。「実際に足を運んだ能登での体験を基に被災した際、避難所でどういった場面でどんな防災グッズが必要になるのか、イメージしやすいよう工夫を凝らした」と話す。
ゲームは、避難所に持ち込むアイテムとして優先順位が高いと思う13点を48枚のアイテムカードの中から選び、サイコロを進めて加点、減点を繰り返しゴールに向かう。最終的に得点が高い人ほど防災意識が高く、避難所での生活を過ごしやすくなることが可視化される仕組み。説明を受けた参加者は、それぞれ4人程度のグループに分かれ、ゲームを体験した。
防災士で元伊那市消防団長の経歴を持つ伊那市議会議員の三沢俊明さんはゲームで高得点をマークした。防災のために何が出来るかを考えるグループディスカッションで、三沢さんは「地域特有の課題として、箕輪ダムに上伊那のほとんどの水源を依存している点が挙げられる。井戸がある場所のマップ化など水源の確保は重要」と話す。
ボランティア活動の報告会では、七尾市の復興マルシェでのボランティアや、大きな被害を受けいまだ復旧していない輪島の様子、ボランティアをきっかけに義援金を集める活動を始めたことなどを紹介した。集めた義援金は今後、日本赤十字社を通じて全額被災地に届けるという。