移住者や伊那市民を対象とした郷土食・保存食作りのワークショップ「わたしたちの なからごはん」が12月6日、伊那市内の民家で初めて開催された。
主催したのは、伊那市地域おこし協力隊の篠崎希さんと堤耀子さん。篠崎さんは農家民泊担当として活動する中、地域住民に出してもらう家庭ごとのお茶請けに感動し、「自分が知るだけでなく、他の人にも伝える活動をしたい」と思うようになった。堤さんは、伊那から減らそうCO2促進担当として、漬物などの郷土食にもフードロスの観点があるという考えから、共にワークショップを企画した。
「なから」は長野県の方言で「おおよそ」の意味。地元の人が作る郷土食は目分量で作っていることもあり、ワークショップでは、「おいしいものも力を抜いて無理なく作れることを伝えたい」という思いを込める。
当日は5人が参加し、移住者や農家民泊のオーナーなどが参加。酒井日出子さんからおやき作りを教わった。参加者は酒井さん宅の台所で、なすみそ、切り干し大根などの4種類のおやきを、生地をこねる工程から体験した。酒井さんは「若い人と交流する機会がないので、(今回は)すごくうれしかった」と振り返る。
篠崎さんは「参加者から、『移住してきて地域住民との交流がなかったので、今回の企画で実際に民家にお邪魔できて良かった』という感想を頂いた。今後も肩肘張らずにさまざまな人に参加してほしい」と呼びかける。「講師の生活の知恵に触れてもらったり、料理への向き合い方が広がっていったりすればうれしい」とも。
ワークショップは毎月1回、季節に合わせたテーマで年10回ほどを予定する。