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伊那・長谷でアメリカ人大学生が田植え・餅つき体験 信州の食と環境学ぶ

標高850メートルの棚田で田植え体験を行う

標高850メートルの棚田で田植え体験を行う

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 米カリフォルニア州立大学サクラメント校(CSUS)の学生らが6月17日~19日の3日間、伊那市長谷の農業法人「Wakka Agri(ワッカアグリ)」を訪れ、田植えや草取り、餅つきなどを体験した。

餅つきをする学生たち

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 信州大学グローバル化推進センターが企画した、「食と環境の持続性を信州で学ぶ」ことがテーマのサマープログラムの一環。同プログラムには、CSUSの学生3人と交換留学生1人、信州大の学生5人が参加。山ノ内町では地元の小学生と給食を共にし、豆腐作りも体験、松本市では、みそ蔵やみそ工場の見学、木曽町では伝統的な漆器文化について学ぶなど、約2週間にわたり、県内各所で日本の食文化や農業、地域環境について学習を行ってきたという。

 長谷では、自然栽培の米作りに取り組むワッカアグリの田んぼで田植えと草取りを体験。餅つき体験では海外の学生向けにチョコレートソースやバターじょうゆなどの味付けも用意し、楽しむ様子が見られた。座学では、同法人が取り組む海外輸出を含めた経営方針や栽培技術について講義を行った。

 参加学生の専攻は多岐にわたり、CSUSから参加した建築学部の学生は「日本にはアニメをきっかけに興味を持った。野菜が多い食事や、緑豊かな山々の風景はアメリカと全く異なる印象を受けた。餅つき体験も貴重で、本物の餅を自分でついて食べられたことがうれしかった」と振り返る。学生たちは3日間の体験後、信州大学松本キャンパスで活動のまとめを行い、6月21日に帰国した。

 信州大とCSUSは2017(平成29)年に学術交流協定を締結以降、学生の相互派遣と受け入れを継続して実施している。今回のプログラムを担当した浜野充准教授(信州大グローバル化推進センター)は「日本とアメリカでは農地の広さや食料自給率、食文化に大きな違いがある。持続性の視点から、農業に関わる企業や個人がどのような選択をしているかを学んでほしい。食を通じて多様なライフスタイルに触れることが、将来の選択肢を広げる契機となれば」と期待を込める。

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