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駒ケ根の日本茶店が限定品「駒結」 標高2600メートルの雪中で茶葉熟成

店主の酒井隆道さん(左)と妻のほづみさん(右)

店主の酒井隆道さん(左)と妻のほづみさん(右)

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 駒ヶ根の日本茶専門店「山二園」(駒ケ根市中央)が6月14日、雪中熟成茶「駒結(こまゆい)」を発売した。

標高2600メートルの中央アルプスの雪の中で熟成させた「駒結」シリーズ

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 戦後にオープンした同店は、日本茶や茶道具を販売する。「手軽に日常で飲んでいただけるものから贈答品まで広くそろえる。蒸し方・火の入れ方、ブレンドで味わいもさまざまになるのが日本茶の魅力」と店主の酒井隆道さん。

 雪中熟成茶は2018(平成30)年に初めて販売した商品。行政とともに、山と市街地を結びつけるプロジェクト「こまがねテラス」の取り組みの一環で始めたという。酒井さんは「中央アルプス『駒ケ岳』の千畳敷カールの裏に駒ケ岳神社がある。その雪中で茶葉を熟成させてみたらどうかという話を頂き試作したところ、雪中で熟成させることでまろやかになり、深みの芳香も強かった。地域の人にも好評だったことから商品化したのがきっかけ。標高2600メートルの雪中で熟成させられる場所はなかなかない」と話す。

 中央アルプスの代表的な雪形「島田娘」にちなみ、島田まげの発祥である静岡県島田市産のうまみのある「深蒸し茶」と長野県飯田市遠山郷産の香りが強い「南信州のお茶」をブレンドした商品「駒結」と、島田産のまろやかな甘みのある「つゆひかり」をブレンドした商品「駒結 つゆひかりブレンド」の2種類を3カ月間貯蔵し熟成させた。価格は、「駒結(こまゆい) 40グラム茶葉」「駒結 つゆひかりブレンド 40グラム茶葉」=864円、「SNOW ALPS(スノーアルプス)ティーバッグ 2ケ入り」=350円。

 今年はティーバッグタイプの商品パッケージを新たにリニューアルした。「若い人や観光客の人にも、もっと手軽に日本茶を手に取ってほしいと考えリニューアルした。雪の結晶のパッケージは地元で「消しゴムはんこ」を作っているお客さまが提供してくださった、はんこを使ったデザイン。すでに新たな取引の声も頂いていてうれしい」と話す。

 同店では他にも「こまがねテラス」の一環で、お茶の一服サービス、駒ケ岳などの登山で野だてが楽しめるよう、割れない携帯用茶器のレンタルなども行う。「登山はもちろん、春にはお子さまと公園で花見を楽しみたいと携帯用茶器のレンタルを行う地域の人の姿も」と妻のほづみさん。お茶の一服サービスはこの時期から日本茶の水出しも試飲ができるという。ほづみさんは「水出しは甘みが強く出るのが特徴で、水に茶葉を入れ5分~20分ほどで楽しんでもらえる。茶葉に氷をたっぷり入れて冷蔵庫で一晩置く抽出方法もまた違った甘みが出る。楽しみ方はいろいろ」と話す。

 酒井さんは「この地域でもなかなか日常的に日本茶を飲む人が減っている。雪中熟成茶の販売や日本茶を楽しめる取り組みを通して日本茶の魅力が広がっていけば」と期待を込める。

 営業時間は9時~19時。月曜定休。

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