
1日1組限定の古民家宿「夕さりて」(箕輪町福与区)が4月1日に開業する。
まきストーブとキッチン、手作りのダイニングテーブルがある客室
オーナーは、同町元地域おこし協力隊員の相澤純也さん・いぶきさん夫婦。宿がある福与区は町の東側に位置し、特に郷沢地区は高台にあることから町を一望できる場所にある。敷地面積は4400坪で、宿の延べ床面積は120平方メートル。
夕日の時間帯が美しいことから宿の名前にも反映したという。純也さんは「『夕さりて』は『日が暮れて』という意味がある。雄大な自然の中を歩いたり、夜景を見たりしながら、まきでたいた風呂に入ったり、自然と触れ合ったりする経験ができる。大切な人たちとゆっくりと流れる時間を過ごす中で、豊かさの物差しが少し変わる…そんな場所になれば」と話す。
築140年になる物件との出合いは協力隊3年目の2023年5月。地元の知り合いからの紹介で、気軽な気持ちで見学に訪れたが、物件を気に入り、9月に購入。大工と共に仲間を募り、夫婦で改修してきた。できるだけ自然素材を使い、「産廃にならない家づくり」を目指したという。「福与区は以前からお気に入りの場所だった。昔ながらの棚田が残っていてとても美しい場所。古民家の再生は決して簡単ではなかったが、ここに宿泊するお客さまを想像して、こだわりを詰め込んだ。唯一無二の空間に仕上がった。特に家族連れに訪れてほしい」といぶきさん。
客室に設置した長野県産のまきストーブはオーブン付きのタイプのものを選び、ピザなどのオーブン料理が楽しめるようにした。まきだき風呂は、「開放感のあるこの場所だからこそ作りたくなった」という。「人目を気にせず、まき風呂に入りながら夜景を楽しんでほしい。鳥のさえずりで目覚め、ハンモックで昼寝もできる。一日をゆっくり楽しんでもらえれば」と純也さん。
宿泊料金(1泊1組2人)は、休日=4万円、平日=3万5,000円。追加料金(1人)は、大人=1万円、小学生以下=5,000円、3歳以下=3,000円。まき風呂は1組5,000円(以上、全て税別)。朝食は開業を記念して人数分を無料で提供。夕食は別途。