伊那の寒天専門メーカー伊那食品工業(伊那市西春近)の「かんてんぱぱガーデン」で6月8日、「第19回かんてんぱぱ祭」が開催された。
「地域への感謝の気持ちを込めて」毎年開いている同イベントは今年で19回目。準備や運営など全て同社社員が担い、8日は全国からおよそ600人の社員が集まり地域住民をもてなした。会場の「かんてんぱぱガーデン」は約3万坪の自然豊かな庭園で、敷地内に同社の本社、工場のほか、レストラン、喫茶、美術館、寒天ショップなどを併設する。
祭りは9時30分に開始。恒例イベントとなっているところてんの振る舞いや、箸一本で競うところてんの早食い競争も行った。音楽関連の催しも企画。「かんてんぱぱホール」では、宝塚歌劇団出身のRiRIKAさんが、ミュージカル曲、ディズニーソング、J-POPなど、子どもから大人まで楽しめるショーを開催。屋外の芝生ステージでは青空の下、地元の春近中学校吹奏楽部、伊那西高校吹奏楽部・合唱部、社会人グループのアンサンブル・スオーノが演奏を披露した。
「全国逸品市」では、上伊那地域ではなかなか購入が難しい全国各地の人気商品をそろえ、多くの人が列を作った。菓子を中心にかまぼこなど水産加工食品なども集め、正午過ぎには売り切れてしまう商品も見られた。
今回、「さらに力を入れた」という、社員による屋台販売では、イワナや高遠の鹿肉の串焼きなどの目玉メニューも登場。かき氷や焼きトウモロコシには長蛇の列ができた。グループ会社の今錦からは有料試飲コーナーを設け、令和5酒造年度2023年全国新酒鑑評会金賞を受賞しているという「NENRIN S(ネンリン・エス)」が人気を集めた。
子ども2人を含む家族4人で市内から訪れた30代女性は「この祭りは全てが良心的な価格で、財布に優しくて助かる。社員の皆さんはホスピタリティーにあふれ、毎年参加できるのを楽しみにしている」と話していた。
実行委員長を務めた滝沢洋行さんは「天気に恵まれ、地域の小学校の運動会と時期がずれたこともあり、家族連れのお客さまに多く来場いただけた。社員もみんな自主的に動いてくれ、お子さまが楽しんでいただけるようなゲーム、大人が楽しめる日本酒のコーナーなど、さまざまなブースを用意できたことも良かった」と振り返る。