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ふるさとワーキングホリデー 滞在しながら農作業体験、伊那市で受け入れ

体験を受け入れているWakka Agri(ワッカアグリ)

体験を受け入れているWakka Agri(ワッカアグリ)

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 「仕事」と「暮らし」を体験できる「伊那市ふるさとワーキングホリデー」を活用し農作業を希望する参加者を現在、伊那市が募集している。

作業を教えてもらいながら稲の育苗ハウスで苗床づくりを行う参加者

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 ふるさとワーキングホリデーは、総務省が2017(平成29)年に始めた制度。都市に暮らす若い人たちが一定期間地域に滞在し、働いて収入を得ながら、学びの場を得たり地域の人たちとの交流を行ったりするもの。伊那市は5年前に開始。働きながら暮らすことができ、最低2週間、最長1カ月の滞在が可能。

 農作業の受け入れ先は「Wakka Agri(ワッカアグリ)」(伊那市長谷非持)。人口1700人の小さな集落で「美しい日本米を世界に」をコンセプトに、栽培方法や環境にこだわった輸出米を生産している。農作業や加工品の製造の手伝いなど時期によって体験内容が変わり、今回の募集では7月末までの体験となる。

 ふるさとワーキングホリデーのサイトで同社の受け入れを知り参加した瀧澤朋代さんは東京の大学に通う3年生。自分の働く姿を考えた際、オフィスワークのイメージが浮かばず、父の実家がある長野県に『自然豊かで気持ちがいいイメージ』を持っていたことから2週間の参加を決め、春休みに来たと言う。「農家がどういう仕事をしているか知らない。自然に携わるといってもイメージが湧かなかったので参加してみようと思った。大学で学び関心を持った『自然栽培』というキーワードにも引かれた」と話す。

 「気になったことを質問すると、細かいことや豆知識など時間を割いて教えてくれる。地域の皆さんとの会話からも得られることがたくさんある。会社に勤めながら農家をしている方や、いろいろな働き方、生き方があることを頭では知っていたが、実際に触れたことでとても刺激になった。やはり自分はものづくりや自然のある環境が好きだと再確認できた」と瀧澤さん。

 「勤めていた会社を退職し、次の仕事までの期間で、学生の時から興味があって調べていた農業やワーキングホリデーを体験したいと考えて参加した」と言う鈴木遥景さんは4月半ばまで、1カ月の滞在を予定する。「米の収穫や田植えはしたことがあるが、播種(はしゅ)の準備などは初めて体験した。農業高校も出ているが、新しい知識も増えて、いい勉強になっている」と言う。「農業全般、果樹、水産加工、林業など一次産業を体験できるところを探してきた。日本は縦に長いので、沖縄や鹿児島など、いろいろな環境を体験して自分の見聞を広げながら移住候補先を探していきたい」と意欲を見せる。

 ワッカアグリは宿泊施設も併設しているため、24時間、仕事も生活も一緒に体験できるのが特徴。「ここでの体験が終わった人が体験後にまた、顔を出しに来る人もいる」と話すのは、ワーキングホリデー専任の地域おこし協力隊員として昨年着任した朴さん。自身も一昨年の12月に制度を活用して1カ月滞在したことがきっかけとなり伊那に移住したと言う。「全国的にワーキングホリデーへの参加は学生が多い印象だが、伊那市はさまざまな世代が訪れるのが特徴。運転免許があることが条件になっているので18歳から上は60歳まで。制度を活用して伊那の暮らしを体験してもらえれば」と話す。

応募締め切りは4月14日。

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