
「伝統工芸竹細工を楽しむ講座」が3月10日・11日の2日間、箕輪町公民館(箕輪町中箕輪)で開催された。
「信州みのわ竹細工の会」会長の北澤公仁さん(左)と講師の大宮稔さん(右)
15人の枠に対し34人の応募があったため、急きょ定員を増やし、抽選で選ばれた20人が参加した。講師は「信州みのわ竹細工の会」会長の北澤公仁さん、大宮稔さん、林清衛さん、上田安男さん。同会に昨年から加わった大槻浩子さんと同町地域おこし協力隊員の山野邉智美さんがアシスタントに入り、参加者をサポートした。
2日間かけ製作したのはコーヒードリッパー。材料は箕輪町の標高1000メートル付近の山林に自生するスズ竹を使った。講師の説明を受け、順調に編み上げる人や何度も途中でやり直す人などさまざまだったが、2日目の昼前には全員がコーヒードリッパーを完成させた。完成後には、試飲用に提供された竹細工のコーヒードリッパーでいれたコーヒーを味わい、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
母親と参加した40代女性は「スズ竹という自然素材で編み上げていくので、一つ一つの素材と向き合い組み合わせていくことに苦戦したが、おかげで唯一無二の作品が完成した。講師の皆さんの教え方も、それぞれ特徴があり勉強になった」と振り返る。
上古田区から参加した70代男性は「参加者は自分のようなシニア男性ばかりだろうと来てみたら、女性が多くて驚いた。若い頃にはこうした伝統工芸への興味は薄かったが、年を重ね学びたくなったので今回参加した。不器用な自分でも講師の方々の丁寧な指導のおかげで完成させることができ、とても充実した時間を過ごせた」と話していた。
市川英明公民館長は「竹細工は難しく、簡単にはできないということが理解いただけたと思う。これを機に、竹を手に取って創作活動にチャレンジし、竹細工という伝統工芸に興味を持ってもらえたら」と参加者にエールを送る。
信州みのわ竹細工の会は3月末まで、北澤さんのビニールハウス工房で活動を続ける。見学や体験は常時受け付ける。問い合わせは同館まで。