
能登半島地震にボランティアとして携わってきた高橋博之さん(岩手県花巻市)を囲む座談会が2月15日、ゲストハウス「赤石商店」(伊那市西春近)で開催された。
元伊那市の地域おこし協力隊の齋藤俊介さんが代表を務める「伊那谷アライアンス」が主催。防災士の資格も持つ齋藤さんは、昨年3月に石川県輪島市に入り、ボランティア活動をした。5月には伊那谷の高校生を連れ再び現地に入り、輪島の朝市で被災を免れた店舗を活用しての炊き出しも行った。「能登で起こったことは、伊那でも起こりうる。いざ天災に見舞われたら生き残れるのか。危うい土台に立っているのではないか。いま一度、問う機会にしてほしいと座談会を企画した」と話す。
座談会では「能登の未来は日本の未来」をテーマに高橋さんが被災者と対話をする中で感じたことを話し、30人を超える参加者と課題を共有しながら意見を交換した。
「高齢化が著しい地域の復興は人手が不足し、そのため地域の外の人の支援が必要になる。今回の能登でも、震災後に資金やリソースが集まってきたのは外とつながりを持っている人。災害が発生する前から関係人口を増やすことが早い復興につながるだけでなく、今後の日本にとって必要と考えている」と高橋さん。「都会では得られない、地方ならではの利点を言語化し、提供できる価値を示していくことが重要。個人も自分の足でしっかりと立ち自立しながらも、多様な依存先を見つけて積極的につながっていくことが肝要」と結んだ。