空き家の解消に向け、家の情報ではなく「借り手」の情報を掲載し貸主とのマッチングを行う「さかさま不動産」伊那支局開設に当たり、伊那市創造館講堂(伊那市荒井)で3月9日、開局イベントが行われる。
「さかさま不動産伊那支局」を開設する「西町ガレージ」の小嶋郁哉さん
さかさま不動産は、物件の情報を公開して借主を募集する従来の仕組みとは逆で、「借りたい人」の情報を開示し不動産をマッチングをするサービス。
イベントを企画したのは、「西町ガレージ」の小嶋郁也さん。地元の伊那で生まれ育ち、大学と就職で6年間ほど他県に出た後、2018年にUターン。地元の空き屋調査をきっかけに、自身が興味を持った物件を借りたことが、今回の「さかさま不動産」の開局につながったという。
「僕自身が物件を借りる時に、物件情報には出ていなかった物件を、直接大家さんと話ができたことで、共感してもらえたり、信用してもらえたりして借りることができた経緯がある。借りた物件で運営する『西町ガレージ』では、リノベーションの相談や内装資材のアウトレット販売などを行っているが、『空き家をリノベーションしたい』という話だけではなく、『空き家を探しているが見つからない』といった声も多く聞く。伊那は全国で見ても移住者が非常に多い地域。移住したい人の情報サイトでは全国トップになるほどの人気があるエリアなので、移住や店を開くために物件を探す人も多い。地元出身の自分だからこそ、橋渡しというか、生かせる役割があるのではと感じた」と話す。
開局記念イベントでは、全国のさかさま不動産での成約事例や伊那支局開設の背景を紹介。その後、実際に伊那で物件を借りたいという伊那出身の大学生、佐野天咲さんが「市内に中高生が集える居場所をつくるプロジェクト」のプレゼンテーションに臨む。
「伊那で空き家・空き店舗を探している若い世代も多いので、若い人たちがどんな思いで、どんなことに取り組もうとしているのか、そうした思いを聞きに来てもらえれば。伊那支局の開設だが、今後、長野県全域のエリアをサポートしていきたい」と意気込む。
開催時間は15時~17時。参加無料。申し込みはウェブサイトで受け付ける。