「信州みのわ竹細工の会」が12月14日、箕輪町内の山林でスズ竹の採取を行った。
作品の部位ごとに使い分けるため1年物と2年物の「スズ竹」を集める
竹細工製作は、会の発起人の北澤公仁さんが10年前に自宅にあった竹細工の農道具を解体し、作り方を覚えたことがきっかけ。畑仕事で多忙になる春まで毎年、ビニールハウスを工房にしてザルやコーヒーフィードリッパーなどの竹細工を作っている。会のメンバーは北澤さんの他に、林清衛さん、上田安男さん、大宮稔さん、大槻浩子さんの5人。
同会は昨年から、箕輪町文化センターが企画する公民館講座「伝統技能を体験しよう“竹細工”を楽しむ」の講師を担当し、工房を見学に来る人や、体験を希望する人も少しずつ増えてきたという。鉈(なた)などの道具、机や椅子など、新規来訪者が快適に竹細工を体験できるよう環境も整えている。
竹細工の材料となる「スズ竹」の採取は、冬の寒さが厳しくなる12月に行う。この日は、ビニールハウス工房にメンバー全員がそろい、軽トラ2台と乗用車1台で山奥に入った。メンバーたちは、慣れた足取りで険しい竹やぶを進み、採取した竹を運び出してはまたやぶに戻る作業を繰り返した。竹細工製作には1年物と2年物のスズ竹を使うため、見分けやすいよう1年物は葉を残し、2年物は葉を全て落としてから束ねるという。
トラック2台分のスズ竹積み込みを終え、メンバーの北澤さんは「来年は1月6日月曜から工房を開け竹細工製作を始める。工房では竹細工作り体験や見学者も受け付けている」と笑顔を見せる。