伊那市高遠産のソバの実を高遠石工の石臼でひいてもらう体験イベントが10月27日、「七めんビストロ 瀬-梵(せ・ぼん)」で行われる。
当日使う石臼の目立てを習ったという(写真提供=山本祐介さん)
企画したのは伊那市地域おこし協力隊員の下平彩楓さんと山本祐介さん。当日は、同店で開催される「百姓と職人市」に出店したブースで体験してもらう。
下平さんと山本さんは4月1日、伊那市地域おこし協力隊に着任。下平さんは伊那のソバを活用した事業や教育がミッション。パティシエとして働いていたが、高校の課題研究でトマトジュースを使ったソバや茶畑で収穫した茶葉を使った茶ソバなどを試作した経験があることから、ソバと関わりを持ちたいと同市への移住を決めたという。山本さんのミッションは高遠石工や石仏の広報。「もともと古神道に関する情報を見たり聞いたりすることが好きだった。着任前は東京のゲーム制作会社に勤めていたこともあり、高遠石工の石仏をキャラクター化したら面白いのではと思い、伊那に来た」と話す。
ブースには、伊那市高遠地域で栽培されているソバ「入野谷(いりのや)在来種」の重さを当ててもらうクイズと、ソバの品種「信濃一号」の実を高遠石工の石臼でひく体験を用意する。「高校の授業がきっかけでソバ打ちは体験していたものの、ソバ粉を使うだけでソバの実を見たことはなかった。入野谷在来種の実は香りが良くて小粒。原材料がどんな物なのかを子どもたちや地域の人に見てもらいたい」と下平さん。山本さんは「石臼は、地域で『行者そば梅庵』を営む笠井秀一さんに目立てを教えてもらい、ソバがひけるように調整した。昔の人が生活の中で石をどう使っていたのかも体験してもらいたい。高遠石工にも興味を持ってもらえたら」と話す。
先着30人に「ソバ粉50グラム」を提供。下平さんは「そばがきやお好み焼きに入れたり、わんがきにしたりとするなどおいしい食べ方もある。ソバ粉の活用法などを知りたいときは当日声をかけてもらえたら」とも呼びかける。
開催時間は10時~15時。