伊那市が発行する移住パンフレット「風のとおるまち」が4月7日に刷新された。
伊那市企画部地域創造課移住定住促進係が手がけたもので、2019年発行の前版から約5年ぶりの刷新。制作期間は約9カ月。今回は対象を子育て世代から広げ、幅広い世代に向けて「暮らし」に焦点を当てた内容にした。制作の背景について、編集チームの伊藤汐里さんと藤井香織さんは「移住相談の中で、都会の生活に疲れて訪れる人の声を多く聞くようになった」と話す。食やエネルギーを自ら生み出せる環境や、人との程よい距離感など、日々の営みを大切にする暮らしへの関心が高まっていることから、パンフレットでも暮らしを主軸に据えた。
イラストの表紙で始まり、ページを開くと写真へと変化する構成が特徴。イラストは地域おこし協力隊員の手塚ほたるさんが担当し、「思い描いた暮らしが現実になっていく様子」を表現。「まずは足を運んでもらいたい」という思いを込めたという。誌面では、移住前から地域とつながるきっかけづくりを意識し、飲食店や訪ねてほしい場所、地域と関われるイベントなどを掲載。「載せきれない魅力的な店や人はまだまだある。このガイドを手がかりに現地を訪れ、暮らしを想像してほしい」と藤井さん。
「伊那あるある」と題したページでは、同課の村田和也さんが15年前に移住者として感じたことをイラストで紹介。方言も取り入れ、「こんなはずじゃなかった」といった移住後のギャップを減らす狙いを込めた。誌名の「風のとおるまち」は、移住者へのヒアリングの中で挙がった言葉から採用した。自然の風だけでなく、人との距離感や関係性の心地よさも表現しているという。
2024年度の伊那市への移住者は358人。伊藤さんは「安心感や穏やかな日常の中で、忘れがちな優しい感情を思い出せる暮らしを伊那で感じてほしい。パンフレットがそのきっかけになれば」と話す。パンフレットは市役所窓口のほか移住相談イベントで配布し、東京都・大阪府のふるさと回帰支援センターや「銀座NAGANO」(東京都中央区)にも設置予定。6月に東京で移住セミナー、7月には東京・大阪で移住相談会を開き、同誌を活用してPRを進める。