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高遠美術館で「藝大卒展」 連携40周年を記念し選抜作品17点展示

作品を展示する市丸蓉さん

作品を展示する市丸蓉さん

 春季特別展「東京藝術大学連携40年展 藝大卒展〈サテライト〉」が現在、信州高遠美術館(伊那市高遠町)で開かれている。

ロビーで行われたオープニング式典

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 同展は、東京芸術大学と伊那市(旧高遠町)の連携40周年を記念して開催。東京都内で開かれた卒業・修了作品展の出品作から選ばれた17人の作品を展示し、若手作家の多様な表現を紹介する。

 伊那市と同大の交流は、高遠出身で同大の前身・東京音楽学校の初代校長を務めた伊澤修二を縁に始まった。伊澤は近代日本の音楽教育の基礎を築いた人物として知られ、その功績を顕彰する「伊澤修二記念音楽祭」が1987(昭和62)年から続くなど、地域と大学の交流は長年にわたり音楽・美術の両分野で育まれてきた。今回の展覧会は、その40年の節目に合わせて企画されたもの。同館ではこれまでも連携事業を行ってきたが、卒業・修了制作展の一部を「サテライト」として伊那で紹介する試みは、節目を象徴する取り組みとなる。

 会場には絵画や彫刻、工芸など幅広い分野の作品が並ぶ。初日の3月21日にはオープニング式典が開かれ、同大音楽学部4年の穂刈愛琳さんによるピアノ演奏や、出品者によるギャラリートークも行われた。

 出品者の一人で同大美術学部工芸科の市丸蓉(ヨウ)さんは、彫金の技法を用いたブローチ作品「拝啓 今を生きた私たちへ」を展示する。コロナ禍での学生生活のもどかしさや将来への不安を抱えながらも、人との関わりに救われてきた経験をお守りとして身に着けられるブローチに込めたという。市丸さんは「横浜で生まれ、幼い頃から海が身近な存在だった一方で少し遠く感じる存在でもあった。そんな感覚を表現に重ねつつ、波が引いた後に残る泡のきらめきなど自然の細やかな表情に着想を得ている」と話す。技法面では七宝に雲母を混ぜるなど、「作為的な美しさではなく、自然が持つありのままの美しさを意識した。制作期間や今回の展示も含め、全てが今後の自分を支える大切な記憶になると思う」とも。

 開館時間は9時~17時(最終入館16時30分)。火曜休館(4月は無休)。入館料は、一般800円、高校生以下無料。5月31日まで。

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