築160年の古民家を改修したカフェ「一輪(いちりん)」(箕輪町沢)で10月31日~11月2日の3日間、「自然盆栽展」が開催される。
出品するのは、信州大学農学部に通う牧嵜遼詩(まきざきはるし)さん。13歳で園芸に興味を持ったことから盆栽を習い始め、18歳からは現在も通う須坂市内の「井蛙房盆栽塾」に足を運び、学び続けているという。
入寮している信州大学の中原寮の庭では約1000鉢もの盆栽を世話する日々を送る。「一般的な盆栽は小さな鉢の中に自然の風景の美しさを表現するもので、剪定(せんてい)をしたり、針金で形を人為的に曲げたりして、遠くにある景色を鉢の中に再現したもの。盆栽は世界で唯一の『抑制の園芸』といえる」と牧嵜さん。「他方、自然盆栽は一般的な盆栽と違い、植物と対話をしながら本来生えている環境とは違う『鉢の中』という制限された器の中でその植物らしさを人の手を加えながら引き出して表現しているため、植物の個性を生かす盆栽」とも。「日々盆栽の世話をしている自分自身の心身の健康状態がここにいる植物の状態に直接つながっていると感じているので、自分を律し、良好な状態に整えることの大切さを実感している」と話す。
個展では、1000鉢の中からえりすぐった20作品ほどを展示する。併せて、各日13時~15時には牧嵜さんが展示会場で来場者からの鉢植えの相談に応じる。14時~14時30分には「実演」の時間を設け、日常の手入れの実演を通じて「自然盆栽」について解説を行う。
牧嵜さんは「完成も完璧もない自然盆栽を多くの人に知ってもらえるきっかけになれば」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~17時。参加無料(要ワンドリンクオーダー)。