
資料館を探検し古道具を探すイベント「親子でナイト・ミュージアム」が9月20日、「伊那市民俗資料館(高遠なつかし館・旧馬島家住宅)」(高遠町東高遠)で開催された。
今年で4回目となる同イベント。毎年人気を集める企画で、今年も小学生とその保護者およそ30人が参加し、にぎわいを見せた。始めに伊那市教育委員会生涯学習課文化財係の大澤佳寿子さんが、室町時代から伝わるお伽草子(とぎぞうし)「付喪神(つくもがみ)」の物語を語り、作られて100年を過ぎた道具には魂が宿り人を惑わす妖怪「付喪神」になること、会場となる資料館にもたくさんの古い道具があることを伝えた。
後半、参加者は9つの妖怪が描かれたビンゴカードを受け取り、古い道具が化けた姿である妖怪たちはもともとどんな道具だったのか、高遠なつかし館、旧馬島家住宅、収蔵庫である蔵の3カ所から探し出しスマートフォンやカメラで撮影。ビンゴの数に応じて、景品の妖怪缶バッジや手作りのビニール袋ケース、袖口カバー、ちりめんストラップなどを受け取った。普段と異なる夜の資料館の雰囲気の中、子どもたちは道具に触ったり名前を覚えたりしながら、親子で協力してビンゴ達成を目指した。
イベントを企画した大澤さんは「夜の資料館に入れるのは年に1度だけ。昔の道具がたくさん残っている資料館の特長を生かし、子どもが好きな妖怪と結びつけて企画した。この機会に楽しみながら昔の暮らしを学んでもらえれば」と話す。塚田博之館長は子どもたちへ向けて、「普段は触ることのない名前も知らない道具たちは、昔はどの家でもよく使われていた大事な道具。もしかすると皆さんの家や、おじいさん、おばあさんの家にもあるかもしれない」と投げかけた。